NISA

NISAでよく聞く「投資信託(ファンド)」って何? その仕組みとメリット・デメリットを解説

【はじめに:投資の「福袋」に例えると分かりやすい】

こんにちは、「リホとミナの『安心』NISA設計室」です。

新NISAで投資を始めようとすると、「投資信託」という言葉を頻繁に耳にするかと思います。 「投資信託って何?」「株と何が違うの?」と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。

投資信託は、NISAの「つみたて投資枠」の主な対象商品であり、投資初心者にとって非常に始めやすい金融商品の一つです。

この記事では、投資信託がどのような仕組みで動いているのかを、身近な例えを交えながらやさしく解説し、そのメリットとデメリットについてもお伝えします。


【1.「投資信託」とは? その仕組みを解説】

投資信託を最も簡単に例えるなら、それは「投資の福袋」のようなものです。

(1)投資家からお金を集める

  • 私たち投資家は、証券会社を通じて「投資信託」を購入します。
  • この時、私たちの資金は、他の多くの投資家のお金と一緒に集められます。

(2)プロ(ファンドマネージャー)が運用する

  • 集められた膨大なお金は、投資の専門家である「ファンドマネージャー」が運用します。
  • 彼らは、世界中の様々な株式、債券、不動産などに投資を行います。

(3)利益を分配する

  • 運用によって利益が出たら、その利益はそれぞれの投資家が預けた金額に応じて分配されます。
  • 投資信託を購入するということは、言わば「プロに運用をお任せする」という仕組みなのです。

【2. 投資信託の「メリット」】

投資信託がNISA初心者におすすめされるのには、いくつかの明確なメリットがあります。

メリット1:少額から始められる

  • 多くの投資信託は、ネット証券であれば月100円からといった、非常に少額から積立投資が可能です。
  • これにより、お試し感覚で投資を始めるハードルが非常に低くなります。

メリット2:プロに運用をお任せできる

  • どの企業の株を買えばいいか、いつ売買すればいいか、といった知識がなくても、プロの専門家が日々の運用を行ってくれます。
  • 投資初心者の方にとって、心理的な負担が非常に小さいのが特徴です。

メリット3:自動で「分散投資」ができる

  • 投資信託は、1本購入するだけで、自動的に何十、何百、あるいは何千もの企業や資産に分散して投資してくれます。
  • 一つに集中するリスクを避け、リスクを低減しながら資産を育てることが可能です。
NISAを始める前に。必ず知るべき「元本割れ」のリスクと、その対策(長期・積立・分散)とは?【はじめに:NISAは「貯金(預金)」ではありません】 こんにちは、「リホとミナの『安心』NISA設計室」です。 新NISAは「非課税」という強力なメリットがあり、将来の資産形成の「道具」として非常に優れています。 しかし、NISAを始める前に絶対に理解しておかなければならない大前提があります。 それは、NISAは「投資」であり、銀行の「貯金(預金)」とは根本的に異なるということです。 銀行の貯金(普通預金や定期預金)は、「元本保証」がされています(※決済用預金は全額保護、それ以外は1,000万円まで)。 一方、NISA(投資)には「元本保証」がありません。市場の状況によっては、あなたが投資したお金(元本)よりも、受け取る金額が少なくなってしまう可能性があります。 これを「元本割れ」と呼びます。 この記事では、この「元本割れ」のリスクについて、その仕組みと、リスクをできるだけ小さくするための「3つの対策」を解説します。 【1.「元本割れ」とは何か?】 「元本割れ(がんぽんわれ)」とは、文字通り、「投資した元本(もとのお金)を、資産の価値が下回ってしまうこと」を指します。 例えば、あなたがNISA口座で100万円分の投資信託を買ったとします。 その後、世界的な経済危機(〇〇ショックなど)が起こり、その投資信託の価値が80万円まで下がってしまった場合。 この時点で、あなたは20万円の「元本割れ」をしていることになります。 NISAは「利益(プラスの部分)」にかかる税金は非課税にしてくれますが、「損失(マイナスの部分)」を補填してくれる制度ではないのです。 【2. なぜ「元本割れ」が起きるのか?】 元本割れが起きる理由は、NISAで投資する金融商品(投資信託や株式)の「価格(基準価額)」が、毎日変動しているからです。 投資信託は、世界中の会社の「株式」や「債券」などを集めたパッケージ商品です。 その中身である「株式」の価格は、その会社の業績や、世界経済の景気、為替(円高・円安)など、様々な要因によって上がったり下がったりします。 景気が良ければ価格は上がりますが、経済危機やパンデミック、戦争などが起これば、価格は大きく下がります。 この「価格の変動(振れ幅)」のことを、投資用語で「リスク」と呼びます。 【3. リスクを「減らす」ための3つの対策】 「元本割れのリスクがあるなら、やっぱりNISAは怖い…」 そう思うかもしれません。 確かに、この「リスク」をゼロにすることは不可能です。 しかし、投資の世界には、この「リスク(価格の変動)」をできるだけ小さく抑えるための「3つの基本的な対策」が確立されています。 NISA(特に「つみたて投資枠」)は、まさにこの3つの対策を実行するために設計された制度です。 対策1:長期(ちょうき)投資 投資は、保有する「期間」が長ければ長いほど、価格の変動が平均化され、元本割れのリスクが低減する(リターンが安定する)という過去のデータがあります。 1年や2年といった「短期」で見ると元本割れしていても、10年、15年と「長期」で持ち続けることで、世界経済の成長と共に資産価値が回復・成長していくことが期待できます。 対策2:積立(つみたて)投資 一度にまとまったお金を投資(一括投資)するのではなく、「毎月1万円」など、定時定額で買い続ける方法です。 これを「ドルコスト平均法」とも呼びます。 価格が高い時には少なく買い、価格が安い時には多く買うことを自動的に行うため、平均購入単価を平準化させる効果が期待できます。 対策3:分散(ぶんさん)投資 一つの商品(例:A社の株だけ)に集中投資するのではなく、複数の資産(例:全世界の株式)に「分散」して投資することです。 NISAの「投資信託」は、1本買うだけで世界中の何千社もの株に分散投資できる「パッケージ商品」です。 一つの国や会社が不調でも、他の国や会社が好調であれば、全体として大きな下落を防ぐ効果が期待できます。 【まとめ:リスクを「正しく」恐れ、対策を実行しよう】 今回は、NISAの最大のデメリットである「元本割れ」について解説しました。 NISAは「投資」であり、「貯金」ではないため、元本保証がない。 元本割れのリスクを「ゼロ」にはできない。 しかし、「長期」「積立」「分散」という3つの対策を実行することで、そのリスクを「減らす」ことは可能である。 NISAを始めるということは、この「元本割れ」のリスクを受け入れるということです。 リスクを正しく理解し、3つの対策(特に「つみたて投資枠」の活用)をしっかりと実行することが、「安心」な資産形成の第一歩となります。...

メリット4:いつでも売却して現金化できる

  • 株式のように、買い手がつかないと売れないということがありません。
  • ほとんどの投資信託は、基本的にいつでも(※リアルタイムではない)売却して現金に戻すことができます。

【3. 投資信託の「デメリット(注意点)」】

一方で、投資信託にはいくつか注意しておくべきデメリットも存在します。

デメリット1:手数料(信託報酬)がかかる

  • 投資信託を保有している間、プロに運用を任せる費用として「信託報酬」という手数料が毎日かかります。(※これが「穴あきバケツ」の正体です)
  • この手数料は投資信託の種類によって大きく異なり、長期で保有するほど、この手数料の差が最終的なリターンに大きな影響を与えます。

デメリット2:元本保証がない

  • 投資信託は投資商品であるため、元本が保証されていません。市場の変動によっては、投資した金額よりも資産が減ってしまう「元本割れ」のリスクがあります。

デメリット3:リアルタイムでの売買はできない

  • 個別株のように、刻一刻と変動する株価を見て「今だ!」というタイミングで売買することはできません。
  • 投資信託の基準価額は、基本的に1日1回算出されるため、売買の申し込みが成立するまでに時間がかかります。

【まとめ:NISA初心者の強い味方】

今回は、NISAで中心となる「投資信託」の仕組みと、そのメリット・デメリットについて解説しました。

  • 仕組み: 多くのお金をまとめてプロが運用する「投資の福袋」
  • メリット: 少額・プロ任せ・分散投資・いつでも売却できる
  • デメリット: 手数料がかかる、元本割れのリスクがある

投資信託は、投資初心者の方が「難しい」と感じることなく、手軽に「長期・積立・分散」投資を始めるための、非常に優れたツールです。

デメリットを理解した上で、賢く活用することで、あなたの「安心」な資産形成を力強くサポートしてくれるでしょう。