こんにちは、「リホとミナの『安心』NISA設計室」です。
2024年から始まった新NISAは、その使い勝手の良さから「最強の資産形成制度」と呼ばれることもあります。
これまでの記事で解説した「利益が非課税になる」「2つの枠を併用できる」といった点も、その理由の一つです。
この記事では、新NISAの具体的な「メリット」を5つに整理すると同時に、利用する前に必ず理解しておくべき「デメリット(注意点)」についても隠さず解説します。
【新NISAを活用する「5つのメリット」】
まずは、新NISAが持つ強力なメリットから見ていきましょう。
メリット1:投資で得た利益が「非課税」になる
- 通常、投資の利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座ならそれが「ゼロ円」になります。投資で得た利益をそのまま受け取れる、NISAの根幹となるメリットです。
メリット2:非課税保有期間が「無期限」になった
- 旧NISAでは「5年」や「20年」といった非課税期間の「期限」がありましたが、新NISAではこれが「無期限」になりました。
- 利益が出ている商品を「非課税期間が終わるから」と慌てて売る必要がなくなり、30年、40年と、本当の意味での長期保有が可能になりました。
メリット3:いつでも引き出し(売却)が可能
- NISAは「貯金(預金)」と同じように、必要なタイミングでいつでも資産を引き出す(売却する)ことが可能です。
- (※iDeCo(個人型確定拠出年金)のように「60歳まで引き出せない」といった制限がないため、教育費や住宅購入など、人生の様々なイベントに柔軟に対応できます)
メリット4:年間投資枠が大幅に拡大した(最大360万円)
- 年間に投資できる上限額が、旧NISAの最大120万円から、新NISAでは最大360万円(つみたて投資枠120万+成長投資枠240万)へと大幅に拡大しました。
- これにより、まとまった資金がある方や、ハイペースで資産形成を進めたい方のニーズにも応えられるようになりました。
メリット5:生涯非課税限度額(1,800万円)が設定され、枠の再利用も可能
- 一生涯で非課税となる元本の総額が「1,800万円」と明確に設定されました。
- さらに、この枠は「売却すれば翌年に復活(再利用)」できます。例えば、途中で500万円分を売却して使ったとしても、翌年にはその500万円分の枠が空き、再び投資することができます。
【知っておくべき「3つのデメリット(注意点)」】
次に、新NISAを始める前に必ず理解しておくべきデメリット(注意点)です。 ここが最も重要です。
デメリット1:元本割れのリスクがある(※最重要)
- NISAは「投資」です。銀行の「貯金(預金)」とは違い、元本(投資したお金)が保証されていません。
- 購入した金融商品の価格は日々変動するため、市場の状況(経済危機など)によっては、投資した金額よりも資産が減ってしまう「元本割れ」の可能性があります。
デメリット2:損益通算(そんえきつうさん)ができない
- 通常の投資(課税口座)では、もしA口座で10万円の利益、B口座で5万円の損失が出た場合、利益と損失を相殺(=損益通算)し、「利益は5万円」として税金を計算できます。
- しかし、NISA口座は「非課税口座」であるため、他の課税口座との損益通算ができません。
デメリット3:繰越控除(くりこしこうじょ)ができない
- 通常の投資(課税口座)では、ある年に損失が出た場合、その損失を翌年以降3年間にわたって繰り越し、将来の利益と相殺できる「繰越控除」という仕組みがあります。
- NISA口座では、この繰越控除も適用されません。
【まとめ:デメリットを理解した上で、制度を賢く活用しよう】
今回は、新NISAの「メリット」と「デメリット」について解説しました。
新NISAは、「非課税・無期限」という非常に強力なメリットを持つ制度ですが、同時に「元本割れのリスク」や「損益通算ができない」といった投資ならではのデメリットも存在します。
大切なのは、「損するかも」と過度に怖がることでも、「儲かる」と楽観視することでもありません。 こうしたデメリット(リスク)の存在を正しく理解した上で、非課税という大きなメリットを最大限に活かすこと。
それが、私たちが「安心」な資産形成を進めるための第一歩です。



